本の感想:55歳からのハローライフ(村上龍)はリアル過ぎて怖かった
だいぶ前ですが、いつも読んでいるブログで紹介されていて、ちょっと興味を持っていた「55歳からのハローライフ」。
カンブリア宮殿での村上龍さんは結構好きで、番組の最後に流れる「収録を終えて、こんなことを考えた」をいつも楽しみにしていますが、、、20年以上前に仲が良かった人から勧められて初めて読んだのが「限りなく透明に近いブルー」。
話の内容はほとんど覚えていないのですが、本を読んで初めて気分が悪くなり、途中で読むのをやめたのでした。
それ以来、なんとなく村上龍さんの作品は避けてきました。
「55歳からのハローライフ」のリアル過ぎる怖さ
短編5編が収録されていて、1作品が100ページ弱なので、気楽に読める感じです。
どの作品も主人公は50代後半〜60代くらいで、退社後の夫婦の微妙なズレ、リストラで想定より早い退職とお金の不安、人生のやりがいや生きる意味、、、など、それぞれの事情を抱えながら、自分なりの幸せを求めて答えを見つけていくというお話です。
私が学生〜就職した頃はバブルで、将来のことなど何も考えていませんでした。
1歩間違えば自分もこうなっていたかもしれないし、これからこうなるかもしれない、という恐怖感を刺激されるリアル感が、どの作品にもありました。
リアル過ぎて、読後はずっしり重たい気分になり、気持ちが沈みました。
正直、二度と読みたくない(苦笑)。
身近過ぎる内容の小説は難しいのかもしれない
遠藤周作さん、山崎豊子さんの作品が大好きなので、楽しいだけを求めているわけでもないのですが、小説は娯楽として読むことが多いので、どちらかというと前向きだったり、楽しい方が好きです。
ロマサスとか(笑)。
「55歳からのハローライフ」は、内容が身近でわかり過ぎてちょっと辛かったです。
どの短編の主人公も、最後は少し前向きに答えを見つけているのですが、ハッピーエンドまでは到達していない道半ばの状態だし、根本的な心配事が解決していなかったりするので、心の底から「良かったね」とは思えませんでした。
これだけ重い気分になれるのだから、小説の出来としてはすごいのかもしれません。
幸せだったこと、楽しかったこと
- 久しぶりの晴れでうちから見えた富士山。きれい。
- 3年ぶりにiPhone買い替え(ダンナに便乗(笑))。画面が大きくてきれい。新しい機器は楽しい。
- 父の日のプレゼント。二人とも喜んでくれた。