本の感想:ポイズンドーター・ホーリーマザー(湊かなえ)、思いのすれ違いと人からの見え方について考えた
自分が何を思ってその行動をしているのか、相手が何を考えてそんな態度を取っているのか、お互いの思いを理解をするのは難しい。
育てる側の思いについて考えた
事件が起こると、ご近所や学生時代の友人というような知り合いが出てきて、どんな人だったとか、昔こんなことがあったとか、話が出てきます。
テレビではおもしろいところを拾って流すのだと思うので、さもそういうことをしそうな話だけが放送される。
この本のお話では、人の見方はいかに偏っているか、その人の主観的な意見になるかの話が出てきます。
本当はその人が何を考えていたかなんて、他人にはわかるはずもないのに。
タイトルにある「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」は、娘から「毒親」と思われ関係がこじれていた母娘の話です。
娘の側の言い分に共感できるところはあるし、母親の言い方、態度にも問題があり、思いがうまく伝わっていなかったと感じました。
片親家庭で(おそらく)母親は必死に暮らしを支え、子育てをしていたので、心の余裕もあまりなかったのだと想像します。
でも、子供の側から、そんな母親の状況を理解するのは難しいのかもしれない。
子育てって本当に難しいですね。
私は子供がいないので想像するしかありませんが、子供が少しづつ自立を始める年齢になると本当に難しいのだろうなあと思います。
自分の親も含めて、子育てもしている方全員、尊敬します。
子育てとは次元が全然違いますが、サラリーマン時代、部下たちを育てるというところで「人を育てる」経験をちょっとだけしました。
「少しでも成長してほしい」という思いで、難しい課題を任せてみたり、叱ったりもしていたけれど、、、親子でも難しいのに、他人同士、会社の関係だけで、それをわかれっていうのは無理だったなと思いました。
できるだけ感情的にならないようにしていたつもりだけれど、「怒られた」「わけわかんないこと言われた」と思われて、終了していたのかもしれない。
私が何を思って、どうなって欲しくて、そんなことを言っているのか、もっともっと説明すれば良かったかもしれないなあ。
説明したところで、うまく伝わるかはわかりませんが、しないよりはましだったかも。
今さらですけどね。
それから、人がどう見るか、どう感じるか、どう受け止めるか、自分の思いや考えを正確に伝えるのは無理なんだと改めて思いました。
できるだけ勘違いされないように努力はするにしても、それ以上のことを心配したり、気に病んだりしても仕方ない。
人は自分が見たいように見るし、自分の主観に合わせて受け止める。
家族、特に親子の場合は「仕方ない」と言っていられないかもしれませんが、他人様のことは気にしないのが一番だと改めて思いました。